【1分で解説!】Webサイト翻訳サービス、結局どれを選べばいい?
海外展開を検討する企業にとって、自社Webサイトの多言語対応は避けて通れない課題です。しかし、いざ翻訳サービスを探し始めると、「人力翻訳とAI翻訳、どちらが良いのか」「WOVN.ioとshutto翻訳は何が違うのか」「費用はどのくらいかかるのか」と、疑問が次々と浮かんでくるのではないでしょうか。
本記事では、翻訳サービスの2大タイプである人力翻訳とAI(機械)翻訳の違いから始まり、国内外の主要ツール型翻訳サービスの機能・料金・対応言語を一覧表で比較します。そのうえで、翻訳精度・編集の柔軟性・海外SEO対応・CMS連携・サポート体制という5つの軸での選び方、さらに更新頻度が高いサイト向け・シンプルな静的サイト向けという用途別のおすすめまで、丁寧に解説します。
この記事を読み終えた後には、自社のニーズに合ったサービスの方向性が明確になるはずです。サービスを横並びで比較して最終判断をしたい方に向けて、実際の導入事例も交えながら解説していきます。
そもそも「Webサイト翻訳」には2つのアプローチがある
Webサイトを多言語対応させる方法は、大きく分けると「人力翻訳」と「AI・機械翻訳ツール」の2種類に分類されます。どちらが優れているということではなく、目的や運用体制によって最適な選択肢が異なります。まずはそれぞれの特性をしっかり押さえておきましょう。
人力翻訳:精度と品質を最優先するなら
人力翻訳とは、専門のプロ翻訳者が人の手でテキストを翻訳する方法です。翻訳会社やクラウド翻訳サービスを通じて依頼するケースが一般的で、対応できる分野の専門性も高く、業界特有の表現や文化的なニュアンスを丁寧に再現できるのが最大の強みです。医療・法律・金融・製造業など、専門用語が多く誤訳が許されない分野での翻訳に特に適しています。
料金は文字数や言語ペア、専門性によって異なりますが、日本語から英語への翻訳は1文字あたり10~16円程度が相場です。翻訳会社のWIPジャパン(1995年創業)は世界139か国の言語をカバーし、マイクロソフトやパナソニック、外務省など7,000社以上の実績を持っています。クラウド翻訳のGengoは70言語ペアに対応し、1文字5円から利用できる手軽さが特徴で、JTBやTripAdvisor、楽天なども活用しています。
デメリットとしては、納期がかかること、ページ数が多いサイトや頻繁に更新されるサイトでは費用が積み重なりやすいことが挙げられます。
AI・機械翻訳ツール:スピードとコストを重視するなら
AI・機械翻訳ツールは、既存のWebサイトにスクリプトを1行追加するだけで自動的に多言語化できるサービスです。DeepL・Google翻訳・Microsoft Azure Translatorなどの翻訳エンジンをベースにしており、数分から数日という短期間で多言語対応が完了します。
最大のメリットはスピードとコストです。人力翻訳と比べて費用を大幅に抑えながら、サイトの更新と同時に自動翻訳が反映されるため、更新頻度の高いサイトでの運用が非常に効率的です。近年はAIの翻訳精度が大きく向上しており、日常的なビジネスコンテンツであれば実用上問題のないレベルで翻訳されることも多くなっています。
一方で、業界特有のニュアンスや文化的背景が求められる表現では、機械翻訳だけでは限界があります。翻訳後の手動編集機能を持つツールも多く、重要なページは人の目で確認・修正する「ハイブリッド運用」が実際には広まっています。
主要Webサイト翻訳ツール 機能・料金比較一覧表
国内外の主要なWebサイト翻訳ツール(自動翻訳タイプ)を、機能と料金の観点から一覧表にまとめました。
| サービス名 | 対応言語数 | 翻訳エンジン | 月額費用の目安 | 海外SEO対応 | 手動編集 | CMS連携 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| WOVN.io | 最大45言語 | Google / Microsoft 等複数 | 数万円〜(要問い合わせ) | 〇 | 〇 | 〇(多数) |
| shutto翻訳 | 100言語以上 | Google翻訳 + プロ翻訳 | 33,000円〜 | 〇 | 〇 | 〇 |
| Weglot | 110言語以上 | DeepL / Microsoft / Google | 15ユーロ〜 | 〇 | 〇 | 〇(多数) |
| Myサイト翻訳 | 最大121言語 | 独自AIエンジン | 年間66万円〜 | 〇 | 〇 | 〇 |
| GTranslate | 最大104言語 | Google / Bing / ニューラル | 9.99ドル〜 | 〇(有料プラン) | 〇 | 〇 |
| Autolingual | 最大130言語 | 独自AIエンジン | 36,000円〜 | 〇 | 〇 | 〇 |
| DeepL | 33言語 | 独自ニューラルAI | 個人向け:無料〜 / Pro:要問い合わせ | △ | 〇 | △ |
| ConveyThis | 100言語以上 | 複数エンジン | 7.5ドル〜 | 〇 | 〇 | 〇 |
※料金・仕様は2026年時点の公開情報をもとに作成。変更の可能性があるため、各社公式サイトでご確認ください。
WOVN.io(Wovn Technologies株式会社)
国内最大手クラスのWebサイト多言語化ツールで、スクリプト1行の追加で最大45言語に対応できます。大手企業から大学・自治体まで幅広く導入されており、パナソニック・スズキ・富士フイルム・丸亀製麺・NEC・森永乳業・早稲田大学・北海道大学などが利用しています。翻訳精度の高さに加えて、多言語SEOへの対応が手厚い点が評価されており、言語別URLの自動生成やhreflangタグの設定など、海外検索エンジン対策の機能が充実しています。料金は個別見積もりとなり、PV課金制が採用されるプランもあります。
shutto翻訳(株式会社イー・エージェンシー)
JavaScriptタグを1行サイトに埋め込むだけで導入できる手軽さが特徴です。100言語以上に対応しており、機械翻訳・プロ翻訳・自分で翻訳するセルフ翻訳の3つを組み合わせたハイブリッド型を採用しています。多言語化サイト専用のコンテンツ変更(レイアウト変更・画像削除など)も可能で、最短3分での多言語化も実現できます。月額33,000円からというシンプルな料金体系も、中小企業には使いやすいポイントです。
Weglot
フランス発のSaaS型多言語化ツールで、6万以上のサイトに導入実績があります。DeepL・Microsoft・Googleの複数翻訳エンジンを活用でき、110言語以上に対応しています。管理画面上でのビジュアル編集機能が直感的で使いやすく、WordPressやShopify、Wixなど主要CMSとの連携も豊富です。翻訳チームメンバーを追加できる協業機能も備えており、複数人での翻訳管理が必要な組織に適しています。月額15ユーロからと比較的安価に始められる点も魅力です。
Myサイト翻訳(株式会社高電社)
独自の高精度AIエンジンを搭載し、最大121言語に対応しています。川崎フロンターレ・リンガーハット・名古屋市上下水道局・埼玉県立病院機構・北海道帯広市・宮城県仙台市など、民間企業から地方自治体・医療機関まで幅広い導入実績があります。クラウドサービスのためサーバー導入不要で、最短3日での対応が可能です。年間66万円からという料金体系は規模の大きい企業向けとなっています。
GTranslate
2008年サービス開始の老舗ツールで、50万以上のサイトで利用されています。無料版はGoogle・Bingベースの機械翻訳ですが、有料版ではGoogleのニューラル機械翻訳が利用でき、翻訳品質が向上します。URL翻訳機能により、URLそのものをローカライズ言語に切り替えられるため、海外SEOへの対応も可能です。月額9.99ドルという低価格で始められるため、まず試してみたい方にとって入りやすい選択肢です。
5つの軸で考える「翻訳サービスの選び方」
翻訳サービスを選ぶ際に、機能や料金だけを比べていては判断を誤ることがあります。ここでは実務で使う視点から、5つの重要な選定軸を解説します。
軸1:翻訳精度
翻訳精度はサービスごとに大きく差があります。AI翻訳においては、DeepLは欧米語間の翻訳に特に強みを持ちますが、日本語との組み合わせでも近年の品質向上は目覚ましく、多くのビジネスシーンで実用レベルに達しています。一方、アジア言語(タイ語・ベトナム語・インドネシア語など)の翻訳精度は、エンジンによってばらつきが大きいのが現状です。
特定の専門用語が多いBtoB企業の場合、「辞書登録機能」の有無が翻訳精度を左右します。製品名・ブランド名・業界用語を辞書に登録しておくことで、意図しない誤訳を防ぐことができます。WOVN.io・shutto翻訳・Weglotはいずれもこの機能を備えています。
軸2:手動編集の柔軟性
機械翻訳が完璧でない以上、重要なページの翻訳を人の手で修正できる機能は必須です。主要なツールはほぼすべて手動編集機能を備えていますが、編集のしやすさはツールによって大きく異なります。Weglotはサイト上でのビジュアル編集が直感的で、翻訳された文章の見え方を確認しながら修正できます。shutto翻訳は管理画面からテキスト・画像・レイアウトまで柔軟に編集できる点が強みです。
また、複数言語を同時管理する場合、チームメンバーごとに権限を分けて管理できるかどうかも確認しましょう。
軸3:海外SEO対応
ここは特に見落とされがちな重要ポイントです。単に翻訳されたページが存在するだけでは、海外の検索エンジンに適切にインデックスされません。各言語ページに対して「hreflangタグ」が正しく設定されているか、言語別のURL構造(サブドメイン・サブディレクトリ・独立ドメインなど)が選択できるか、メタタグやaltタグも翻訳対象に含まれているか——これらを確認する必要があります。
海外顧客をオーガニック検索から獲得したいのであれば、WOVN.ioやWeglotのように多言語SEOへの対応が充実したツールを選ぶことを強くお勧めします。
軸4:CMS連携
利用中のCMSとの相性は、導入の容易さに直結します。WordPressを使っている場合はプラグインで対応できるツールが多く、Weglot・WOVN.ioはいずれも公式プラグインを提供しています。ShopifyやWixなどのSaaS型CMSでも、対応ツールはそれぞれ異なります。
CMSとの連携が不十分だと、サイトを更新するたびに手動で翻訳処理を行わなければならなくなり、運用負荷が大幅に増加します。導入前に必ず「自社で使っているCMSと連携できるか」を確認しましょう。
軸5:サポート体制
海外展開を本格的に進める中小企業にとって、導入後のサポート体制は非常に重要です。日本語でのサポートが受けられるかどうか、技術的なトラブルが発生した際の対応スピード、翻訳結果の品質保証の仕組みなどを事前に確認しておきましょう。国内ベンダーのWOVN.io・shutto翻訳・Myサイト翻訳は日本語サポートが充実しており、海外ツールのWeglot・GTranslateはドキュメントや対応が英語中心になることを念頭に置いてください。
用途別:あなたの会社にはどのタイプが合うか
翻訳サービス選びに悩む原因の一つは、「自社の状況」が人によってまったく異なる点にあります。ここでは2つの代表的なパターンに分けて、適したサービスの方向性を整理します。
更新頻度が高いサイト(ニュース・ブログ・ECなど)向け
商品情報やブログ記事を頻繁に更新するECサイト、企業の最新ニュースページ、採用情報など、更新頻度が高いサイトには、コンテンツ更新と同時に自動で多言語翻訳が反映されるツール型サービスが最適です。人力翻訳で逐一対応していては、時間もコストも間に合いません。
この場合、まず機械翻訳で全ページを多言語化したうえで、重要度の高いトップページ・製品説明ページ・LPなどは手動で精査・修正するというハイブリッド運用が現実的な選択肢となります。shutto翻訳やWeglotはこのような運用に向いた設計になっています。
シンプルな静的サイト(コーポレートサイト・LP)向け
ページ数が少なく更新頻度も低いコーポレートサイトや、特定の海外市場向けに1回しっかり翻訳したいLPの場合は、人力翻訳との組み合わせが有効です。一度プロに翻訳してもらったテキストを、ツール型サービスの手動編集機能を使って管理するという方法が取れます。
また、ページ数が10〜20ページ以下の小規模サイトであれば、人力翻訳のみで対応することも十分現実的です。翻訳センター(1986年設立・JASDAQ上場)のような実績豊富な翻訳会社に依頼すれば、世界80言語に対応した高品質な翻訳が期待できます。
実際の企業はどう活用しているか:導入事例
リンガーハット:多言語化で訪日客を取り込む
長崎ちゃんぽんで知られるリンガーハット株式会社は、Myサイト翻訳を導入し、Webサイトの多言語対応を実現しています。インバウンド需要が高まる中、訪日外国人客がスマートフォンで来店前に店舗情報やメニューを確認できる環境を整えることは、集客に直結する施策です。ツール型の自動翻訳を採用することで、メニュー変更や新商品追加の際も、日本語サイトの更新と連動して多言語ページが自動更新される運用を実現しています。
丸亀製麺:大手チェーンの国際展開を支えるWOVN.io
丸亀製麺を展開するトリドールホールディングスも、WOVN.ioを活用しています。海外に多くの店舗を展開する同社にとって、各地域のWebサイトを効率的に多言語管理できることは重要な課題でした。WOVN.ioの導入により、日本語コンテンツをベースに各言語版を一元管理し、運用コストを抑えながら多言語展開を実現しています。
早稲田大学・北海道大学:教育機関での活用
大学のWebサイトは、入学志望者・研究者・留学生など多様な国際ユーザーがターゲットとなります。早稲田大学・北海道大学はいずれもWOVN.ioを導入し、日本語サイトと英語・中国語サイトを効率よく運営しています。大学サイトは研究情報・入試情報・ニュースなど更新頻度が高く、自動翻訳とその後の手動チェックを組み合わせた運用が機能しています。
よくある質問(FAQ)
Q1:翻訳ツールを導入すれば、翻訳者への依頼は不要になりますか?
ケースバイケースです。ブログ記事や製品情報など更新頻度が高いコンテンツはツールの自動翻訳で効率的に対応できますが、会社概要・採用ページ・プレスリリースなど、ブランドイメージや信頼性に直接関わるページは、プロの翻訳者が仕上げた文章であることが望ましいです。実際に多くの企業が、自動翻訳で全体をカバーしつつ、重要なページは人力翻訳で品質を担保するハイブリッド運用を採用しています。最初から「すべてツールで解決する」と考えるよりも、ページの重要度に応じて使い分ける視点が大切です。
Q2:翻訳ツールを導入すると海外SEOにどのくらい効果がありますか?
翻訳ツールの多言語SEO対応機能を正しく使えば、海外の検索エンジンにインデックスされやすくなり、オーガニック検索からの流入増加が期待できます。ただし、効果が出るまでには数か月から半年以上の時間がかかることが一般的です。また、翻訳品質が低いと検索エンジンからの評価も下がる可能性があるため、重要なページの翻訳精度は確保しておく必要があります。WOVN.io・Weglotなど海外SEO対応が充実したツールを選び、hreflangタグの設定や言語別URLの構成を正しく行うことがポイントです。なお、翻訳ツールはあくまで日本語サイトをそのまま翻訳するものであり、現地ユーザーのニーズに合わせてゼロからコンテンツを設計するローカライズとは別のアプローチです。
Q3:小規模な中小企業でも、翻訳ツールは費用対効果が出ますか?
はい、十分に出せます。ただし、選ぶツールと使い方が重要です。GTranslateは月額9.99ドル(約1,500円)から始められ、ConveyThisは7.5ドルからと非常に低コストで試せます。まずは価格が抑えられたプランで試験的に導入し、効果を確認してから本格運用に移行するという段階的なアプローチをお勧めします。一方で、「安いから」という理由だけで選ぶと、海外SEO対応が不十分だったり、CMS連携ができなかったりして、後から追加コストが発生するケースもあります。自社のサイト規模・更新頻度・ターゲット市場を整理したうえで、総合的に判断することが長期的な費用対効果につながります。
まとめ:翻訳ツールは「入口」に過ぎない
Webサイトの翻訳は、海外展開における重要な第一歩です。主要な翻訳サービスを比較すると、WOVN.io・shutto翻訳・Weglotは多機能で実績も豊富であり、中小企業から大企業まで幅広く対応できます。コストを抑えてまず試したい場合はGTranslateやConveyThisが選択肢に入り、人力翻訳を重視するならGengoや翻訳センターのようなサービスが適しています。
ただし、重要な点があります。翻訳ツールは「日本語サイトを別の言語に変換する」ものであり、現地のユーザーが本当に求める情報を届けるための「ローカライズ」とはまったく異なります。東南アジアやアメリカ、中国といった市場では、消費行動・価値観・検索キーワードがまったく異なります。翻訳されたコンテンツを届けても、現地ユーザーの心に刺さるとは限らないのです。
Leapでは、日本語サイトを単に翻訳するのではなく、現地市場に合わせてゼロからローカライズしたWebページを作成する多言語HP作成サービスを提供しています。翻訳ツールで「まず多言語化する」という選択肢に加えて、「現地に響くコンテンツを最初から作る」というアプローチも、ぜひ検討してみてください。海外売上を本気で伸ばしたい方は、まずLeapへのお問い合わせから始めてみることをお勧めします。
参考資料・出典一覧
- Web幹事「【多言語翻訳】おすすめの翻訳サービス12選を比較【2026年最新版】」
- LIG Inc.「【比較】Webサイトの多言語対応ツール、どれを選ぶべき?」
- アスピック「Webサイト翻訳ツール8選。多言語対応の機能や費用を紹介」
- ITreview「Webサイト翻訳(多言語化)カテゴリページ」
- 3naoshi.com「サイト翻訳サービス比較」
- Microwave Creative「Webサイト多言語化・翻訳ツールを比較!特徴・費用・選び方を解説【比較表付き】」
- orend.jp「サイト多言語化ツール比較10選」
- ハイファイブクリエイト「ウェブサイトを自動的に多言語対応する各サービスを比較します」
- WOVN.io 公式サイト
- shutto翻訳 公式サイト
- Weglot 公式サイト
- Myサイト翻訳 公式サイト
- GTranslate 公式サイト
- Gengo 公式サイト
- 翻訳センター 公式サイト
- WIPジャパン 公式サイト