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【1分で解説!】シンガポール・台湾・香港は越境EC初挑戦に最適な市場
越境ECを始めようと考えたとき、「どの市場から手をつければいいのか」で悩む担当者は少なくありません。欧米市場は規模こそ大きいものの、競合の壁が厚く、言語対応や関税処理のハードルも高い。その点、シンガポール・台湾・香港は日本製品への信頼と需要が高く、EC市場としての成熟度も申し分ありません。
本記事では、この3市場を選ぶべき理由を数字で検証したうえで、Shopee・Lazada・Amazon Singaporeなど主要プラットフォームの特徴と出店手順を詳しく解説します。さらに、ECモールでのテスト販売からShopifyによる自社EC展開へとステップアップするリスクヘッジ型のロードマップも示します。記事を読み終えたあとには「まずどのモールに登録するか」を決断できる状態を目指しています。
なぜ今、シンガポール・台湾・香港なのか?市場選定の基準を数字で見る
3市場の共通点:日本製品ファンの宝庫
越境ECで成果を出すために最初に確認すべきは、「自分たちの商品に対する需要が現地に存在するか」です。その観点で見たとき、シンガポール・台湾・香港はいずれも日本製品への親和性が際立っています。
台湾は、訪日外国人の送客数において長年トップクラスを維持しており、日本政府観光局(JNTO)のデータによれば、2023年の訪日台湾人数は420万人超に上りました。旅行経験を通じて日本ブランドへの信頼が醸成されているため、越境ECで購入する心理的ハードルが他国と比べて低いのが特徴です。シンガポールは所得水準が高く、英語が公用語であることから、海外ECへの慣れも進んでいます。香港もまた日本ブランドへの信頼度が高く、越境ECの利用率が成熟しています。
関税・規制ハードルの低さ
シンガポールはGSTの免税枠(2023年以前は400SGD以下が非課税)などの優遇措置があったほか、現在もAGRICULTURE・CHEMICAL以外の一般消費財については輸入規制が少なく、日本の中小企業にとって取り組みやすい環境です。台湾も日本との経済関係が深く、食品・コスメ・日用品など多くのカテゴリで比較的スムーズに輸出できます。香港については基本的に関税がゼロ(自由貿易港)であるため、通関コストの観点で最も参入しやすい市場の一つです。
EC市場規模と成長率
東南アジア全体のEC市場は急速に拡大しており、特にシンガポールはASEAN諸国の中でも一人当たりEC支出が最高水準です。台湾のEC市場は国内での普及率が高く、モバイルコマースへの移行も進んでいます。香港はアジアのビジネスハブとして越境購買が活発で、日本製品・コスメ・食品カテゴリが人気を集めています。これらを総合すると、3市場はいずれも「市場規模は十分大きく、競合が欧米ほど激烈ではない」という、中小企業の越境EC初挑戦に理想的な条件を備えています。
主要プラットフォームの特徴と使い分け戦略
Shopee:東南アジア・台湾攻略の最有力候補
ShopeeはシンガポールのSea Limitedが2015年に創業したECモールで、現在では東南アジア各国と台湾に展開しています。月間アクティブユーザー数は3億7,500万人を超え(2024年実績)、特にインドネシアでは2億3,000万人超の月間訪問者を誇るなど、東南アジア全体での存在感は圧倒的です。
日本の事業者にとって最大のメリットは、日本法人であるShopee Japanが設立されており、管理画面が日本語対応されている点です。出店時の初期費用・月額費用は無料で、日本からの越境ECについては販売手数料も基本的に無料となっています(※出店形態や時期によって条件が変わるため、最新情報は公式サイトで確認を)。送料の一部補助制度(1注文あたり130〜300円程度)も整備されており、スモールスタートに適した環境が整っています。
出店手順はShopee Japan公式サイトの専用ページから申請し、審査通過後にショップ開設・商品登録を行う流れです。初期マーケットを1か国選択し、10品以上の出品後に他市場へ追加展開できます。大型セール(11.11や12.12)では通常月の2〜3倍の売上を記録するセラーも多く、広告費をかけずにShopeeの集客力を活用できる点も魅力です。
Lazada:アリババ傘下の東南アジア老舗モール
Lazadaは2012年にシンガポールで設立され、現在はAlibabaグループの傘下にある東南アジアのECモールです。インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナムの6か国で展開しており、Shopeeと並ぶ二大プラットフォームとして知られています。
Shopeeと異なる特徴は、Alibabaのロジスティクス基盤であるCainiao(菜鳥)との連携による物流ネットワークの強さです。シンガポールとマレーシアでは特に購買力のある層のユーザーが集まっており、単価の高い商品でも比較的動きやすいとされています。一方で、日本語サポートが充実していない点、審査のハードルがShopeeよりやや高い点は留意が必要です。初めて越境ECに取り組む企業には、まずShopeeで運営に慣れてからLazadaへ展開するという二段構えのアプローチをお勧めします。
Amazon Singapore:富裕層にリーチする選択肢
Amazon.sg(Amazon Singapore)は英語圏のシンガポール市場に特化したマーケットプレイスです。日本のAmazonセラーセントラルからAmazon Globalの仕組みを通じて出品できる場合がありますが、基本的には現地法人設立またはパートナー経由での出店が必要になるケースも多く、手続きの複雑さはShopeeより上がります。ただし、英語圏の比較的所得水準の高いユーザー層へのリーチという観点では、ブランド価値の高い商材にとって有効な選択肢になり得ます。
Qoo10:韓国系モールでの日本製品の強み
Qoo10はシンガポール発祥(現在はeBay傘下)のモールで、日本・韓国・シンガポール・マレーシア・インドネシアで展開しています。特にシンガポールでは一定の認知度を持ち、K-POPや韓国コスメとともに日本製コスメ・食品・ファッション雑貨が売れやすい傾向があります。日本のQoo10に出店している事業者であれば、海外展開への敷居が比較的低いのも特長の一つです。
Shopify:自社EC展開で利益率とブランド力を高める
ECモールへの出店はスモールスタートに最適ですが、モールへの手数料負担やブランドコントロールの限界という問題が伴います。一定の売上と顧客データが蓄積した段階で、Shopifyを使った自社ECサイトの構築を並行して進めることで、マージンを高めつつブランドの世界観を自由に表現できるようになります。Shopifyは多言語・多通貨対応が標準搭載されており、シンガポール・台湾・香港向けの英語・繁体字中国語のサイト構築も比較的容易です。
実際に越境ECで成果を出した企業事例
事例1:ミキハウス(子供服・ベビー用品)
大阪に本社を置くミキハウス(三起商行株式会社)は、台湾・シンガポール・香港を含むアジア各国に海外拠点を設け、日本品質の子供服・ベビー用品を販売しています。日本ブランドの安全性・品質へのこだわりがアジアの親世代に強く響いており、訪日経験のある顧客層を中心に支持を集めています。国内ECと海外ECを連携させた多チャネル戦略は、越境EC展開を考える中小企業にとっても参考になるモデルです。
事例2:コーセー(化粧品)
株式会社コーセーはAmazon Singaporeをはじめとしたアジア圏の越境ECに積極的で、「雪肌精」などのブランドが現地でも高い認知度を持っています。品質と成分への信頼感から、コスメカテゴリにおいて日本製品は価格競争に巻き込まれにくいポジションを確立しており、同じアプローチを中小コスメブランドも応用できます。
事例3:中小食品メーカーのShopee活用
中小企業基盤整備機構が運営するebizの事例によれば、日本の食品・菓子メーカーが東南アジアの「Shopee」に出店し、日本のお菓子・調味料・健康食品カテゴリで着実な売上を積み上げているケースが複数報告されています。日本食への関心が高いシンガポール・マレーシア・台湾では、スーパーでは手に入りにくい日本の地方産品や専門食品が特に好評で、Shopeeの大型セール期間中に集中的に在庫を動かす戦略をとっている事業者が多いとのことです。
スモールスタートから自社EC展開へ:段階的ロードマップ
ステップ1:市場調査と商品セレクション(1〜2か月)
まず、自社商品のどのカテゴリが対象市場で需要があるかを検証します。Shopeeの検索結果・売れ筋ランキングを見るだけでも、どのカテゴリが伸びているかをある程度把握できます。競合となる現地セラー・中国セラーの価格帯・商品説明の工夫なども確認しておきましょう。
ステップ2:Shopeeへのスモールスタート出店(3〜6か月)
Shopee Japan経由でアカウント申請を行い、シンガポールまたは台湾の1市場を初期マーケットとして選択します。まず10〜30品を出品し、どの商品・価格帯・商品説明スタイルが反応を得やすいかをテストします。この時点では広告費をほとんどかけずにShopeeの自然流入と大型セールの恩恵を活用します。配送は日本郵便の国際小形包装物またはEMSが使いやすく、Shopeeの補助送料制度も活用してください。
ステップ3:反応のよい市場への横展開(6〜12か月)
初期マーケットで一定の売上ができてきたら、Shopeeの追加市場(マレーシア・タイ等)やLazada・Qoo10への横展開を検討します。同時期に、Shopifyによる多言語自社サイトの構築準備を始めることをお勧めします。自社サイトはモールで関心を持ったユーザーへのリターゲティング広告(Facebook・Instagramなど)との相性がよく、より高いLTV(顧客生涯価値)を追求できます。
ステップ4:自社EC(Shopify)による直販強化(12か月以降)
モールで培った販売データ・顧客インサイト・ベストセラー商品の知見を活かして、Shopifyで自社越境ECサイトを構築します。この段階では現地語(英語・繁体字中国語)のコンテンツを充実させ、SNSマーケティング・SEOとも連動させることでブランド資産を積み上げていきます。モールとの使い分けは「新規顧客獲得はモール、リピーター育成は自社サイト」が基本的な考え方です。
FAQ:越境EC担当者がよく抱く疑問
Q1. シンガポールと台湾、最初に選ぶならどちらがよいですか?
コスメ・食品・日用品など消費財系の商品であれば、日本語コミュニケーションへの慣れや訪日経験の多さから台湾市場がやや入りやすい傾向があります。一方、英語での対応に慣れている事業者や、IT・電子機器・プレミアムブランドの商材を扱う場合は、購買力が高くEC成熟度の高いシンガポールからスタートするのが有利です。どちらの市場もShopeeで同時に展開できるため、最初は1市場に集中してノウハウを積んでから横展開するのが現実的なアプローチです。
Q2. 越境ECで売れる商品カテゴリはどのようなものですか?
東南アジア・台湾・香港において日本製品の人気が特に高いカテゴリは、コスメ・スキンケア(日本の品質への信頼が厚い)、食品・菓子(日本らしさ・希少性が評価される)、ベビー・子供用品(安全性重視)、健康食品・サプリメント、キッチン・生活雑貨などです。これらのカテゴリは中国製品との価格競争に巻き込まれにくく、「メイドインジャパン」のブランド価値で差別化できます。逆に、現地でも類似品が低価格で流通している汎用品や、輸入規制のある食品添加物・薬機法関連商品は慎重な事前確認が必要です。
Q3. 物流・配送はどのように手配すればよいですか?
スモールスタート段階では、日本郵便の国際郵便(小形包装物・SAL便・EMS)が最もコストパフォーマンスに優れた選択肢です。Shopeeを通じた越境ECの場合、Shopeeが提供する物流サービスも利用可能で、特に台湾・シンガポール宛では比較的安定した配送スピードが期待できます。売上が拡大してきたら、現地の3PL(倉庫・物流代行)を活用して納期短縮とコスト削減を図るステップへ進みましょう。なお、食品・コスメなどは各国の輸入規制や成分規制の確認が必須なので、商品発送前に必ず現地の規制情報を調べてください。
まとめ:越境ECの第一歩は「市場とモールを絞ること」
シンガポール・台湾・香港は、日本製品への信頼度の高さ・EC市場の成熟度・関税ハードルの低さという三拍子が揃った、越境EC初挑戦に最適な市場です。そして、その入り口として最も敷居が低いのがShopeeへのスモールスタート出店です。日本語サポート・無料出店・手数料優遇・大型セール集客という環境が整っているうちに、まず1市場で出品を開始してデータを積み上げましょう。
並行して自社ECサイト(Shopify)の多言語対応を進めることで、モール依存から脱却し、ブランド資産を高めながら越境ECを本格事業へと育てることができます。大切なのは、完璧な準備を整えてから動くのではなく、スモールスタートでリスクを限定しながら学習と改善を繰り返すことです。
今この記事を読み終えたあなたに必要な次のアクションは、「Shopee Japan公式サイトでアカウント申請ページを開くこと」です。そこからすべてが始まります。
Leapからのご案内
株式会社Leapでは、越境EC・海外マーケティングに取り組む中小企業の皆さまに向けて、実践に役立つ情報を継続的に発信しています。シンガポール・台湾・香港をはじめとするアジア各市場への進出ノウハウ、多言語ウェブサイトの構築・ローカライズ戦略など、海外展開のあらゆるステップでお役に立てるコンテンツをご用意しています。
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参考文献
- 越境EC完全ガイド
- 台湾越境ECの始め方や主要ECモールへの参入方法!成功のコツと注意点も | ECの相談室
- ショッピー(Shopee)シンガポール攻略ガイド|日本企業が越境ECで成果を出す実務戦略
- 【2024年】越境ECプラットフォームはどこがねらい目?アジア圏を中心におすすめを比較
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