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日本の商品は、まだまだ中国・アジアで戦える──CrossLinkAsia Founder & CEO Emma Wangが語る、中国SNS・越境ECでチャンスをつかむための実践論

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Leap 編集部
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海外ビジネスのエキスパートチーム
日本の商品は、まだまだ中国・アジアで戦える──CrossLinkAsia Founder & CEO Emma Wangが語る、中国SNS・越境ECでチャンスをつかむための実践論

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日本企業の商品を見ていると、つい「これ、中国やアジアにちゃんと届けられたら、もっと広がるのにな」と思ってしまう。 品質が高くて、作り手のこだわりがあって、長く信頼されてきた。美容、食品、生活雑貨、ヘルスケア、アニメやIP、地方のローカル商品——海外でまだ知られていないだけで、本当はもっと評価されていい商品が、日本にはたくさん眠っている。 ただ、中国市場では「良い商品だから自然に売れる」とはいかない。商品が悪いわけではなく、むしろ逆で、商品力があるからこそ、届け方を間違えるともったいない、という話だ。 中国の消費者は、小紅書で調べ、抖音で出会い、ライブや口コミで納得し、ECで買う。商品を「置く」前に、見つけてもらい、信頼してもらう導線をどう作るか。そこが日本と大きく違う。

今回話を聞いたのは、CrossLinkAsia Founder & CEOのEmma Wang氏。2024年に独立し、CrossLinkAsia株式会社を設立。日本企業の海外展開支援に乗り出した。

Emma Wang氏

現在は上海・杭州・深圳を中心に動き、中国の主要SNS代理店やライブコマース事業者、EC運営会社と強固なネットワークを築いてきた。特に中国の若手起業家やAI・ECスタートアップの創業者層との距離が近く、現地の最前線で起きていることを一次情報として吸収できる独自の情報網を持つ。2025年からは、この強みを土台に、日本企業の中国進出を支援するSNSマーケティング・ライブコマース・越境EC支援を本格的に展開している。

中国で生まれ、日本で育ち、日本企業と中国発企業の両方を内側から見てきた彼女に、日本企業が中国・アジアでチャンスをつかむための視点を聞いた。


Emma Wang(エマ・ワン) CrossLinkAsia株式会社 Founder & CEO。1996年、中国・黒竜江省ハルビン市生まれ。1歳半で来日し、27年間を東京で過ごす。2019年、中央大学商学部を卒業。Bytedance株式会社ではTikTokのクリエイター運営を担当し、600名超のクリエイターと20社以上の芸能事務所・広告代理店をマネジメント。手がけたジャンルからは、日経トレンディ1位の"TikTok売れ"も生まれた。続くSHEIN JAPAN株式会社では、数億円規模の企業タイアップや東京ガールズコレクション、テレビCMなどの大型企画を推進。2024年にCrossLinkAsia株式会社を設立し、現在は上海・杭州・深圳を拠点に活動している。中国SNS・ライブコマース・越境ECの現地ネットワークと一次情報を強みに、日本企業の中国進出を成果まで伴走するパートナーとして事業を広げている。 HP:https://crosslink.asia/


中国で売れない理由は、商品力不足とは限らない

──中国市場に進出しようとする日本企業が、最初につまずきやすいのはどこだと思いますか?

一番多いのは、「商品さえ良ければ伝わる」と思い込んでしまうケースですね。

商品力が大事なのは間違いないんです。日本企業の商品は品質が高いものが多いし、中国でも十分評価されると思っています。ただ、中国では「良い商品であること」と「消費者に届くこと」がまったく別の話なんですよ。

日本だと、ブランド名や店頭、検索、口コミで少しずつ広がっていくことがありますよね。でも中国は、消費者の動きがもっとSNS起点になっています。たとえば美容商品なら、買う前にまず小紅書で検索する。実際に使った人の投稿を読んで、成分や使用感を比べて、コメント欄まで確認する。動画で使い方を見たり、ライブで直接質問したりすることもあります。

だから、ECページを作っただけでは足りないんです。置く前に、どうやって知ってもらって、何と比べられて、どう信頼を積むのか。その流れを先に設計しておくと、日本の商品はぐっと届きやすくなります。

繰り返しになりますが、日本企業の商品力が弱いとは全然思っていません。むしろ、もっと海外で評価されていいものがたくさんある。ただ、その良さが現地の消費者に届く「形」になっていないことが多いんです。


小紅書は、日本商品の魅力を丁寧に伝えられる場所

──小紅書は、日本企業にとってどういう場所ですか?

SNSというより、検索と口コミのプラットフォームだと捉えたほうが近いです。

日本ではInstagramの延長みたいに見られがちなんですけど、実際の使われ方はもっと「購買前のリサーチ」に寄っているんですね。「この商品、本当に良いの?」「敏感肌でも使える?」「他とどう違うの?」「どこで買えるの?」——そういう不安を消しにくる場所なんです。

なので、きれいな写真を並べるだけだと弱い。世界観ももちろん大事なんですが、それ以上に、買う前のリアルな疑問にちゃんと答えてあげることが効きます。使ってみた感想、成分や使い方、合う人と合わない人、他社との違い。こういう情報が積み上がって、ようやく信頼になる。

日本の商品って、細かい作り込みとか、使い続けて初めてわかる良さがあるものが多いですよね。その良さは、短い広告コピーじゃ伝わりきらない。でも小紅書なら、じっくり伝える余地がある。私はここに、日本企業にとっての大きな勝機があると思っています。

💡 CrossLinkAsiaの実践ノウハウ:小紅書の「投稿」の作り方 小紅書(RED)では「きれいな広告」よりも「リアルな体験投稿」が好まれます。情報を詰めすぎず、日常の延長のような自然なコンテンツで「見てすぐ分かる」構成を意識することが重要です。

RED投稿用 画像・動画の作り方


抖音は、まだ知られていない日本商品と出会ってもらう場所

──抖音についてはどう見ていますか?

「出会い」を作る力がとにかく強いですね。フォロワーが少なくても、一本の動画が一気に広がることがある。

日本の商品って、中国の消費者にまだ知られていないものが本当に多いんです。知られていないだけで、見せ方を変えれば興味を持たれる商品はたくさんある。使い方がわかる動画、開封した瞬間の驚き、ビフォーアフター、日本の暮らしと一緒に見せるコンテンツ、作り手のこだわりが伝わるストーリー——こういう切り口で、「え、こんな商品あったんだ」と出会ってもらえる。

ただ、再生数が伸びたから売れる、とは限らないんですよね。誰に届いたのか、ちゃんと理解されたのか、コメントで質問が出ているか、購入ページまで進んでいるか。そこまで見ないと、本当に意味があったのかは判断できません。バズらせて終わり、ではなくて、反応を見ながら育てていく場所だと思っています。


ライブコマースは、日本商品の安心感を伝えやすい

──ライブコマースには、日本企業も取り組むべきでしょうか?

商材次第ですけど、可能性は大いにあると思います。

特に、説明すると良さが伝わる商品、使っているところを見せたほうが伝わる商品、消費者の不安をその場で解消したい商品とは相性がいい。日本の商品は細かい特徴や使い方に価値があるものが多くて、でもECページの文字だけだと伝わりきらないことがある。ライブなら、その場で商品を見せて、質問に答えて、サイズ感や質感まで伝えられます。日本商品の安心感を伝える手段として、すごく向いているんです。

とはいえ、ライブコマースは魔法ではないので。いきなり大きなライブを打てば売れる、というものではまったくないです。誰に届けたいのか、その人は何で迷うのか、どの順番で見せるのか、誰が話すのか。そこを設計してから臨むことが大事です。

うちでも、美容商材のライブで売上が伸びたケースがあります。結果だけ見ると「ライブで売れた」に見えるんですけど、実際は事前の設計のほうが大きかった。見せ方、KOLやMCの選定、視聴者がどこで不安になるかの洗い出し——そこを準備しておいたから成果につながった、という感覚です。


KOLは「有名な人」ではなく、「信じてもらえる人」を選ぶ

──KOL施策でよくある失敗はなんですか?

フォロワー数だけで選んでしまうこと、これに尽きますね。

影響力が大事なのは確かです。でも、フォロワーが多い人に頼めば売れる、という単純な話ではない。その人のフォロワーは誰なのか、その人の言葉と商品がそもそも噛み合っているのか、過去のPR投稿でどんな反応が出ていたのか、コメント欄がちゃんと動いているのか。このあたりを見たほうがいいです。

特に小紅書だと、大物KOL一人に頼むより、消費者に近いKOCの投稿が複数積み上がっているほうが信頼されることもある。日本商品は「実際に使った人の声」で良さが伝わるタイプが多いので、広告で大きく見せるより、地道に信頼を積むやり方のほうが合う場合も多いんです。

中小企業なら、最初から大きな予算をかける必要はありません。むしろ小さく複数パターン試して、どの商品が、どの言い方で、どの層に刺さるのかを見るほうが現実的。SNSは一回出して終わりじゃなくて、検証して育てるものですから。


「日本製」はまだ強い。ただ、伝え方は変えないといけない

──日本企業の商材で、中国市場と相性がいいものはありますか?

ありますね。美容、スキンケア、生活雑貨、ヘルスケア周辺、食品、IP・キャラクター関連。日本ブランドへの信頼は今でも生きていて、品質、安全性、デザイン、暮らしの文化、IP——海外の消費者が魅力を感じる要素が日本の商品にはたくさんあります。

ただ、「日本製です」と言うだけでは、もう足りなくなってきている。中国のローカルブランドが本当に強いんですよ。商品開発も速いし、SNSの見せ方もうまい。消費者の反応を見て改善するスピードも段違いです。

だから日本企業も、「日本の商品だから選ばれる」ではなく、「中国の消費者から見て、これを選ぶ理由がどこにあるのか」を言葉にする必要がある。品質なのか、成分なのか、デザインなのか、背景にあるストーリーなのか、それとも日本の暮らしそのものやIPの熱量なのか。そこが定まると、伝え方が変わってきます。

これは日本らしさを捨てろという話ではなくて、むしろ逆で、日本らしさをちゃんと伝えるための「翻訳」なんです。


食品・IP・地方商品にもチャンスはある

──具体的に、どんな分野に手応えを感じていますか?

美容やスキンケアはもちろんですが、食品や地方の商品にも手応えを感じています。

日本の地方には、まだ海外に知られていない良い商品がたくさんある。ストーリーもあるし、品質もある。ただ中国やアジアの消費者から見ると、情報が圧倒的に足りていないことが多いんです。食品の場合は検疫・通関・表示・販売方法など確認すべきことも多いので、いきなり大きく展開するより、ルールを押さえながら小さく反応を見ていくほうが現実的だと思います。

IPやキャラクター関連も、中国・アジアと相性のいい領域です。日本のアニメや二次元文化への関心は今も根強い。ただ、単純にグッズを出すだけだとうまくいかなくて、どのコミュニティに、どの文脈で届けるかが肝になります。

とにかく、日本には海外に出せる魅力がまだまだ眠っている。だから最初から「うちは海外向きじゃない」と決めつけないでほしいんです。


私の仕事は、中国語に訳すことではなく、商売が進む形に翻訳すること

──Emmaさん自身の強みは、どこにあると思いますか?

日本と中国の「あいだ」に立てることだと思っています。

私は中国で生まれて日本で育って、日本企業でも中国発の企業でも働いてきました。Bytedanceではクリエイターやコンテンツの現場を見て、SHEIN JAPANではスピード感のある事業の進め方を経験した。だから、単に両方の言葉ができるというより、両方の仕事の進め方や考え方の違いが体でわかるんです。

日本企業は、丁寧に確認してから動くことが多い。中国側は、まず動いて、走りながら直していくことが多い。どっちが良い悪いじゃなくて、前提が違うんですよね。そのあいだに入ると、言葉を訳すだけじゃ足りないんです。何を先に決めるべきか、どこまで曖昧にしておいていいのか、契約で何を明確にするか、どの相手と組むか、どこにリスクが潜んでいるか。そこまで整理して、商売が前に進む形に落とし込む必要がある。

CrossLinkAsiaは、中国進出のアドバイスだけする会社じゃなくて、実際に動かすところまで一緒にやる会社でありたいと思っています。


クロスボーダーでは、条件を曖昧にしないことが信頼になる

──中国企業との取引で、気をつけていることはありますか?

条件を曖昧にしないこと、ですね。

日本国内の取引って、信頼関係とか空気で進むことがあるじゃないですか。でも国をまたいだ瞬間、それがトラブルの種になる。支払いのタイミング、成果物の範囲、追加費用、キャンセル条件、責任の所在。こういうものは、最初に決めておいたほうが絶対にいいです。

相手を疑うという意味ではなくて、長く良い関係を続けるために、最初に決めるべきことを決めておく、という話なんです。特に中小企業にとっては、一度の未回収や条件変更がそのまま大きな負担になる。攻める前に、守るところを整えておくこと。海外展開は勢いだけでは続かないので、守りを固めたうえで攻めるべきだと思っています。


いきなり本格進出しなくていい。小さく試せば、勝ち筋は見えてくる

──中小企業が、最初にやるべきことはなんでしょうか?

いきなり大きく始めないこと、です。

現地法人を作る、大きな出店費用をかける、大規模な広告を打つ。その前に、もっと小さく確かめられることがたくさんあるんですよ。小紅書で投稿を試してみる、KOC施策で反応を見る、越境ECで販売導線を作ってみる、いくつかの商品を並べて反応を比べる。コメントや保存数を眺めるだけでも、本当にいろいろわかります。

どの商品に反応があって、どんな言葉が刺さって、どの層が興味を持って、どこにみんな不安を感じていて、どこで購入が止まっているのか。こうしたデータが見えてくると、次の一手が自然と見えてくる。

最初から正解を当てる必要はないんです。反応を見ながら勝ち筋を育てていけばいい。このやり方なら、中小企業でも中国・アジア展開に十分挑戦できます。

💡 CrossLinkAsiaの実践ノウハウ:初期35-40日で"伸びる型"を作る 初期フェーズは「一気に売る」期間ではなく「何が伸びるか」を見つける期間です。テスト・最適化を繰り返し、成功パターンを見つけてから一気に投稿を拡大していくのが成功の秘訣です。

初期35-40日で伸びる型を作る


数字は大事。でも、反応の「中身」を見るほうがもっと大事

──SNS施策の成果は、どう見ればいいんでしょうか?

インプレッションやいいね数だけでは判断しないですね。

数字はもちろん見ます。でも、それだけじゃ足りない。たとえば小紅書なら、保存数を見ます。保存されているということは、あとで見返したい、比較したい、買うか検討したい、という気持ちの表れかもしれないので。

コメントの中身もよく見ます。「どこで買えますか」「日本から発送できますか」「敏感肌でも大丈夫ですか」「成分はなんですか」——こういう質問が出ているなら、購買にかなり近い関心があると考えられる。逆に、再生数は伸びているのに商品への質問がまったく出ていないこともあって、その場合は認知は取れても購買にはまだ遠い、という見立てになります。

数字の大小だけじゃなくて、反応の質を読む。そこが大事だと思っています。


中国で作った勝ち筋は、アジアにも広がる

──中国以外のアジア市場については、どう見ていますか?

中国でSNSとECを連動させる感覚をつかめると、東南アジアにも応用できる部分があります。

タイ、インドネシア、ベトナムあたりでは、TikTok Shop、Shopee、Lazadaが伸びていて、短尺動画・クリエイター・ライブ・ECを組み合わせる流れは、アジア全体で強まっています。もちろん、中国でうまくいったことをそっくりそのまま別の国に持っていけるわけではなくて、国ごとに文化も価格感も違う。でも「SNSで知ってもらい、信頼を作り、ECにつなげる」という考え方そのものは、これからのアジア展開でとても重要になってきます。

日本企業にとって、中国は大きな市場であると同時に、アジア展開の入り口でもあるんです。


日本企業には、まだまだチャンスがある

──最後に、中国・アジア展開を考える日本企業へ伝えたいことはありますか?

私は、日本企業にはまだ大きな伸びしろがあると思っています。

品質の高い商品、丁寧なものづくり、信頼されるブランド、独自の文化、アニメやIPの力、地方に眠っている魅力的な商品。海外の消費者にまだ届いていないだけで、可能性のあるものは本当にたくさんある。

必要なのは、最初から完璧な海外戦略を組み上げることじゃありません。まずは現地の消費者に見つけてもらうこと。反応を見て、伝え方を変えること。小さく試して、手応えのあったところを伸ばしていくこと。それだけで、見えてくるものは大きく変わります。

日本企業の商品は、まだまだ中国・アジアで戦えます。私は本気でそう思っている。CrossLinkAsiaとして、その可能性を現地の市場につなげていきたい。日本の商品やブランドが、もっと自然に中国やアジアの消費者へ届くようにしたい。それが、私がこの仕事をしている理由です。



【特別公開】小紅書(RED)ローンチ初期 運用戦略ガイド

今回インタビューに登場したEmma氏率いるCrossLinkAsiaの、より詳細な**「小紅書(RED)実践ノウハウ」をまとめたスライド資料**をご用意しています。

小紅書 ローンチ初期 運用戦略 表紙

【資料の収録内容(一部抜粋)】

  • 中国で「買う前に必ず見る」SNS・小紅書の重要性
  • 初期35-40日で"伸びる型"を作る4つのフェーズ(準備・テスト・最適化・拡大)
  • 売上につなげる投稿の使い分け(RED内・外部EC)
  • REDで伸びるタイトル設計3パターン

ご興味のある方は、ぜひ以下よりお問い合わせ・ご相談ください。

CrossLinkAsia 公式サイト / お問い合わせはこちら

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