カテゴリ:ECサイト作製マニュアル > ストア構築
【1分で解説!】Shopifyの日本対応、結局どうなの?
「Shopifyは海外製だから、日本の商習慣に合わないのでは?」という不安を持つEC担当者は少なくありません。結論から言えば、Shopifyは2017年に日本法人(Shopify Japan株式会社)を設立しており、管理画面の日本語化やサポート体制の整備が進んでいます。ただし、配送日時指定・熨斗対応・代引き決済・インボイス制度対応といった日本特有の商習慣については、標準機能だけでは対応しきれないケースが多く、国産アプリの導入が欠かせません。
本記事では、Shopifyの日本対応状況をサポート体制・商習慣への対応・必須アプリの3つの軸で整理します。「Shopify 日本」での検索から、自社のストア構築を検討しているEC担当者が、導入判断をするうえで知っておくべきポイントをすべて網羅しています。読了目安は約1分。まずはこのオーバービューから全体像を掴んでください。
Shopify Japan株式会社の設立と日本語対応の現状
日本法人設立の経緯と体制
Shopifyは2006年にカナダで創業した世界最大級のECプラットフォームです。現在、世界175カ国以上で展開されており、その流通額は10兆円を超えています。日本市場への本格参入として、2017年11月にShopify Japan株式会社が東京都渋谷区に設立されました。法人の設立により、日本市場向けのサポート体制・パートナープログラム・ローカライズ対応が急速に整備されることになります。
管理画面は日本語に完全対応しており、商品登録・注文管理・在庫管理といった日常的なオペレーションはすべて日本語で操作できます。テーマ(テンプレート)のカスタマイズ画面も日本語化が進んでおり、ECサイト構築の基本的な操作については大きな不便はないと言えます。
日本語サポートの実態
Shopifyのサポートは、ヘルプセンター・チャット・メール・コミュニティという複数の窓口が用意されています。日本語でのチャットサポートは24時間365日利用可能で、AIチャットボットが一次対応を行い、解決できない場合は担当スタッフに引き継がれます。メールサポートは日本語で問い合わせが可能ですが、技術的な内容や週末の問い合わせの場合、返信まで数日かかることがあります。
英語であればリアルタイムのチャット対応が迅速に受けられるため、英語対応が可能な担当者がいれば、英語チャットを活用する方が課題解決のスピードが上がる場面もあります。また、Shopifyコミュニティ(公式フォーラム)には日本語スレッドが存在し、他のユーザーの事例や解決策を参照できる点も魅力です。
日本の商習慣にどこまで対応できるか
配送日時指定・置き配・再配達対応
日本のECサイトにおいて「配送日時指定」は、消費者から当たり前のように期待される機能です。しかし、Shopifyの標準機能には配送日時指定の仕組みが含まれていません。この点は、Shopifyが海外発のプラットフォームである以上、避けられない課題の一つです。
対応策としては、国産アプリの導入が主流です。カート画面で配送希望日時を選択できるようにするアプリが複数リリースされており、ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便といった国内主要配送会社のスケジュールに合わせた設定が可能です。ストアの休業日・配送指定不可日・注文締め時間なども細かく設定できるため、業務フローに合わせた運用が実現します。
熨斗・ギフト包装への対応
慶弔用途での熨斗(のし)紙の選択や、ギフト包装オプションの提供は、日本のECサイトでは特に食品・雑貨・工芸品ジャンルで重要視される機能です。Shopifyの標準機能には熨斗対応は含まれていませんが、ギフトメッセージ機能(注文時のメモ欄)を活用したり、専用の国産アプリを導入することで対応できます。
熨斗の種類(内祝い・御歳暮・御中元など)や表書きの選択を購入フロー内に組み込むためには、カスタム開発またはアプリの組み合わせが必要になります。この部分は、BASE・カラーミーショップなどの国産ECプラットフォームと比較した際にShopifyが不利を感じやすい領域の一つです。事前に要件を整理したうえで、対応可否をパートナー企業に確認することをお勧めします。
代引き(着払い)決済の導入
代引き決済は、クレジットカードを持たない顧客層や高額商品の購入時に根強いニーズがあります。Shopifyの標準決済機能(Shopifyペイメント)には代引きが含まれておらず、こちらも追加対応が必要です。
「配送カスタム.amp」のような国産アプリを活用することで、代引き配送の送料設定・決済フローの組み込みが実現できます。ヤマト運輸や佐川急便の代引きサービスとの連携も可能なため、運送会社との取引関係に合わせた設定が可能です。代引き手数料をどう取り扱うか(顧客負担か店舗負担か)についても、アプリの設定で柔軟に対応できます。
コンビニ決済・キャリア決済への対応
コンビニ払い・PayPay・キャリア決済(ドコモ払い・au PAYなど)も、日本のEC市場では一定の需要があります。Shopifyペイメントはクレジットカード・Apple Pay・Google Payに標準対応していますが、コンビニ払いやキャリア決済については決済代行サービスとの連携が必要です。GMOペイメントゲートウェイやSBペイメントサービスなど、日本の主要な決済代行サービスはShopifyとの連携に対応しており、これらを経由することで幅広い決済手段を提供できます。
消費税・インボイス制度への対応
2023年10月に開始されたインボイス制度への対応は、日本のEC事業者にとって避けられない課題です。Shopifyは管理画面の「設定」>「関税と税金」から消費税率(標準10%・軽減8%)を設定できますが、適格請求書発行事業者登録番号を記載した請求書の発行は標準機能では対応していません。
この点については、「Quick Order Printer」や「SAKUシンプル領収書」といった国産・日本語対応アプリを導入することで対応できます。インボイス制度に対応した領収書・請求書・納品書の発行が顧客自身でできる仕組みを整えることで、BtoB取引における信頼性も担保されます。
日本向けストア構築に欠かせない国産アプリ5選
配送日時指定.amp
「配送日時指定.amp」は、購入時に配送希望日時を選択できるShopifyアプリです。ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便のスケジュールに対応した配送可能日の自動計算が可能で、都道府県別の最短お届け日設定にも対応しています。ストアの休業日・配送指定不可日・注文締め時間を事前設定できるため、物流オペレーションと連動した運用が実現します。月額$9.8〜$19.8(プラン別)での利用が可能です。
配送カスタム.amp
「配送カスタム.amp」は、配送地域・発送方法・注文量などの条件に応じて送料を細かく設定できるアプリです。都道府県単位・郵便番号単位での送料設定、クール便・小型便など配送種別ごとの料金設定、代引き配送や離島向けの設定など、日本国内の複雑な送料体系に柔軟に対応できます。
SAKUシンプル領収書
インボイス制度・軽減税率に対応した領収書・請求書・見積書・納品書を顧客自身が発行できるアプリです。ストア側での書類発行業務の手間を大幅に削減でき、BtoB取引を含むEC運営において特に重宝します。小規模ストアでも手頃な料金で利用しやすい点が特徴です。
Mikawaya Subscription(三河屋サブスクリプション)
日本製のサブスクリプション(定期購入)アプリで、Shopifyの定期購入機能を日本語環境で管理できます。完全栄養食ブランドのBASE FOODも導入している実績があり、食品・消耗品・美容品などの定期販売ストアに適しています。定期購入の注文管理・顧客向けマイページ・スキップ・解約機能まで一通り揃っています。
Quick Order Printer
インボイス制度に対応した帳票(領収書・納品書・請求書)を印刷・発行できるアプリです。日本語対応でコードの手動編集が不要なため、非エンジニアのEC担当者でも簡単に導入できます。BtoB取引の多いストアや、法人向け販売を行うEC事業者には特に有用です。
実際の導入事例:日本企業はShopifyをどう使っているか
BASE FOOD(ベースフード)
完全栄養食ブランドのBASE FOODは、Shopifyを採用した国内ECの代表的な事例です。以前は2度にわたりカートシステムを変更していましたが、拡張性の高さとUIの使いやすさを評価してShopifyを採用。レビュー収集ツール・メールマーケティング・問い合わせ管理などの外部アプリと組み合わせ、顧客とのコミュニケーション基盤を強化しています。また、将来的な海外展開を見据えた点もShopify採用の理由の一つであり、国内で構築したシステムをそのまま海外展開に活用する設計が取られています。
ゴーゴーカレー
カレーチェーンのゴーゴーカレーは、Shopifyを日本でいち早く導入した企業の一つです。ブランドの世界観を体現したデザインのECサイトで、まとめ買いセット・ファン向けグッズ・オリジナル食器などを販売しています。楽天市場・Amazonとも連携することでマルチチャネル販売を実現しており、Shopifyを中心とした販売基盤の拡張がうまく機能している事例です。
Bento&co(ベントアンドコー)
京都を拠点に日本の弁当箱・食器を世界中に販売するBento&coは、Shopifyで構築したECサイトからビジネスをスタートさせました。長年の越境EC運営で蓄積したノウハウをもとに、出荷管理アプリ「Ship&co」の開発にも乗り出しています。国内向け・海外向けの両方を一つのプラットフォームで運営できるShopifyの強みを最大限に活かした事例です。
よくある質問(FAQ)
【質問】Shopifyは日本語でサポートを受けられますか?緊急時の対応は?
【回答】 日本語でのサポートはメール・チャット(AIボット経由)にて利用できます。日常的な操作の疑問やエラー対応については、日本語ヘルプセンターを参照することで解決できるケースが多くあります。ただし、日本語での有人チャット対応はリアルタイムでの応答が必ずしも保証されず、技術的な問い合わせは返信まで数日かかる場合があります。緊急性の高い問題については英語チャットサポートを活用するか、Shopifyの認定パートナー企業(Shopify Experts)に依頼することが現実的です。年商規模が大きく、より手厚い支援が必要な場合はShopify Plusへのアップグレードも選択肢になります。
【質問】日本の標準的なEC機能(配送日時指定・代引き・熨斗など)はすべてアプリで対応できますか?
【回答】 配送日時指定・代引き・コンビニ払い・インボイス対応の請求書発行については、国産アプリを組み合わせることで対応できます。一方、熨斗(のし)対応については専用の国産アプリが少なく、カスタム開発や手動対応が必要になるケースがあります。どの機能が必須要件で、どこまでをアプリで補うかを事前に整理したうえで、Shopifyパートナー企業に相談することをお勧めします。BASE・カラーミーショップなど国産ECプラットフォームと比較しながら、自社のビジネス要件に合ったプラットフォームを選定することが重要です。
【質問】将来的に越境ECや海外展開を考えています。Shopifyはそのまま海外でも使えますか?
【回答】 使えます。これがShopifyを選ぶ最大の理由の一つです。Shopifyは多言語・多通貨・多地域に対応しており、日本向けに構築したストアに海外向けのサブドメインや言語切り替えを追加することで、越境ECへの拡張が可能です。関税の自動計算・国際配送の追跡番号管理・現地通貨での価格表示なども標準機能またはアプリで対応できます。BASE FOODも「将来的な海外展開を見据えてShopifyを選んだ」と明言しており、国内EC基盤と越境EC基盤を一元管理できる点は中長期的な戦略において大きなアドバンテージです。
まとめ:Shopifyは「日本対応できるプラットフォーム」だが、設定の工夫が不可欠
Shopifyは、グローバルトップクラスのECプラットフォームとして、日本法人の設立・日本語管理画面・日本語サポートの整備を通じて日本市場への対応を進めています。ただし、配送日時指定・代引き・熨斗・インボイス対応といった日本特有の商習慣については、国産アプリの組み合わせや初期設定の工夫が不可欠です。「海外製だから使えない」という先入観は正確ではありませんが、「何も設定しなければ日本の顧客が違和感なく買い物できるストアにはならない」という点も事実です。
本記事で紹介したアプリ・設定ポイントを押さえることで、日本のユーザーが自然に使えるストアを構築できます。そしてその基盤は、将来的な越境ECへの拡張にもそのまま活かせる設計になっています。
国内ストアを磐石にしたうえで海外展開を見据えているEC事業者には、Shopifyは非常に有力な選択肢です。ストア構築の方向性で迷っている方は、まず要件を整理し、パートナー企業への相談から始めてみてください。
Leapからのご案内
Leapでは、海外ビジネス・越境EC・多言語マーケティングに関する実践的な情報を継続的に発信しています。Shopifyを活用した越境EC展開や、日本語サイトをそのまま翻訳するのではなく「現地市場に最適化したページ」を新規作成するアプローチに関心がある方は、ぜひ関連記事もご覧ください。
関連ブログはこちら: https://www.leap.site/ja/blog/
越境ECや海外ウェブマーケティングに取り組む中小企業の皆さんが、現地のユーザーに「違和感なく選ばれる」ブランドを構築するための情報をお届けしています。