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WOVN.ioの導入方法を図解!スクリプト・ライブラリ・プロキシの3方式を徹底比較

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Leap 編集部
Leap 編集部
海外ビジネスのエキスパートチーム
WOVN.ioの導入方法を図解!スクリプト・ライブラリ・プロキシの3方式を徹底比較

【1分で解説!】WOVN導入方法は3種類──目的とサーバー環境で選ぶのが正解

WOVN.io(ウォーブン)でWebサイトを多言語化しようとしたとき、最初に直面するのが「どの方式で導入するか」という選択です。WOVN.ioが提供する導入方式は、「スクリプト方式」「ライブラリ方式(WordPressはプラグイン方式)」「プロキシ方式」の3つです。それぞれに向いている環境・目的・メリット・デメリットが明確に異なり、選択を誤ると後から大きな手戻りが発生することがあります。本記事では、WOVN 導入方法の3方式を図解的にわかりやすく整理し、翻訳除外設定・用語集登録・検証環境での確認といった「導入後の仕上げ作業」まで、WOVN.ioを使いこなすための全ステップを網羅的に解説します。エンジニアだけでなく、社内のWeb担当者や海外展開を推進する担当者にも読んでいただける内容です。

WOVN導入前に確認すること──3方式を選ぶための前提整理

WOVN.ioの導入を始める前に、まず自社のWebサイトについて以下の3点を整理しておくことが重要です。 第一に「サーバー環境と開発言語」です。ライブラリ方式は、サーバーにWOVNのライブラリをインストールして動作させる仕組みであるため、対応している開発言語(PHP・Java・Ruby・C#など)をサイトが使用していることが条件になります。サーバーへのインストール権限がない場合や、対応外の言語を使っている場合は、ライブラリ方式を採用できません。 第二に「海外SEOへの対応が必要かどうか」です。翻訳されたページを検索エンジンにインデックスさせたい──つまり、英語や中国語で検索したユーザーに自社の多言語ページを表示させたい──のであれば、スクリプト方式では対応できません。ライブラリ方式またはプロキシ方式を選ぶ必要があります。 第三に「CMSの種類」です。WordPressでサイトを運営している場合は、プラグイン方式という専用の選択肢があります。管理画面からWOVNプラグインをインストールするだけで、ライブラリ方式と同様のSEO対応が実現でき、導入の工数を大幅に抑えられます。 これら3点を把握したうえで、以下の各方式の詳細を参照してください。

スクリプト方式──HTMLに1行追加するだけの最速導入

仕組みと動作フロー

スクリプト方式は、WOVN.ioが提供する1行のJavaScriptタグを、Webサイトの <head> タグ内に埋め込むだけで多言語化が完了する方式です。具体的には以下のような形のコードを追加します。 html<script src="//j.wovn.io/1" data-wovnio="key=YOUR_TOKEN" async></script> 動作の流れとしては、ユーザーがWebページにアクセスすると、ブラウザがこのスクリプトを読み込み、WOVN.ioのサーバーに翻訳データをリクエストします。WOVN.ioのサーバーがページ内のテキストを取得して翻訳処理を行い、ユーザーの言語設定に応じた翻訳結果がブラウザ上に表示されます。翻訳はページ読み込み後にJavaScriptが動的に実行するため、一瞬だけ元言語のページが表示される「フラッシュ現象」が起きる場合があります。

メリット

スクリプト方式の最大のメリットは「導入の手軽さ」です。HTMLにタグを1行追加するだけなので、エンジニアの工数をほとんどかけずに実装できます。タグが挿入できるサイトであれば、CMSの種類を問わず大抵の環境に対応可能です。WOVN.ioのオフィシャルブログでは「約5分で導入完了」とも表現されており、スピードを重視する場合の第一選択肢になります。

デメリット

大きなデメリットは「海外SEO非対応」である点です。スクリプト方式では翻訳前後で同一のURLが使われるため、検索エンジンは翻訳ページの存在を認識できません。また、翻訳がJavaScriptによって動的に行われるため、クローラーによっては翻訳後のコンテンツが正しくインデックスされないリスクがあります。「英語で検索したユーザーに自社サイトを表示させたい」という目的には向いていません。

スクリプト方式が向いているケース: 速度優先でまず多言語対応を試したい場合、社内イントラや会員向けサービスなど検索流入を必要としないサイト、インバウンド対応など来訪者向けの表示切り替えが目的の場合。

ライブラリ方式──海外SEO対応と高品質な翻訳表示を実現

仕組みと動作フロー

ライブラリ方式は、WOVN.ioが開発言語ごとに提供するライブラリをWebサーバーにインストールして動作させる方式です。対応している開発言語は PHP・Java・Ruby・C#・WordPressプラグインの5種類です。 動作の仕組みは次の通りです。ユーザーが翻訳後のURLにアクセスする際、まずサーバー側でWOVNのライブラリが動作し、対応するページのHTMLを取得します。次に、そのHTMLをWOVN.ioのサーバーに送信して翻訳データを取得し、翻訳済みのHTMLをレスポンスとしてユーザーのブラウザに返します。スクリプト方式と異なり、翻訳済みのページがサーバー側で処理されるため、フラッシュ現象が発生しない点も利点です。 翻訳後のURL形式は3種類から選択できます。「パス形式」は https://example.com/en/page のように言語コードをパスに含めます。「サブドメイン形式」は https://en.example.com/page のように言語別サブドメインを使います。「クエリ形式」は https://example.com/page?wovn=en のようにパラメーターで言語を指定します。

SEO対応の仕組み

ライブラリ方式では、HTMLに hreflang 属性と lang 属性が自動的に付与されます。hreflang は「このページは英語版です」という情報を検索エンジンに伝えるタグであり、Google等の検索エンジンが適切な言語のページを検索結果に表示するために使われます。この設定により、英語・中国語・韓国語などで検索したユーザーが、対応言語のページに直接たどり着けるようになります。TAM社がWOVN.ioのライブラリ方式(PHP、パス形式)を採用した際も、「翻訳後ページが検索サイトに掲載されるSEO対策ができること」を選択の決め手として挙げています。

デメリット

ライブラリ方式の制約は「サーバー環境への依存」です。WOVN.ioのライブラリが対応していない開発言語やフレームワークを使用している場合、そもそも導入できません。また、サーバーへのインストール作業が必要なため、スクリプト方式より導入コストが高くなります。

ライブラリ方式が向いているケース: 海外SEO対応が必要なコーポレートサイト・ECサイト・製品ページ、PHP・Java・Ruby等の対応言語を使用しているWebサイト、翻訳の表示品質にこだわりたい場合。

プラグイン方式(WordPress向け)──CMSユーザーに最適な一択

WordPressでサイトを運営している場合、WOVNが専用のWordPressプラグインを提供しています。プラグイン方式はライブラリ方式と同様の動作をしますが、インストールはWordPressの管理画面から行うため、サーバーへの直接インストール作業が不要です。 導入手順はシンプルです。WordPressの管理画面から「プラグインを追加」で「WOVN.io」を検索し、インストール・有効化します。その後、プラグイン設定画面でWOVNの管理画面から発行されるトークンを入力し、翻訳対象の言語を指定します。プラグイン方式でも hreflang 属性が自動付与されるため、海外SEO対応が可能です。 注意点として、WordPressプラグイン方式で翻訳できるのは「WordPressで管理している記事・固定ページ」に限られます。WordPress管理外のページ(特設ページや別CMSで管理するコンテンツなど)を翻訳したい場合は、WOVN.phpを使ったライブラリ方式での対応が別途必要です。

プロキシ方式──環境を選ばずSEO対応を実現する第三の選択肢

仕組みと背景

プロキシ方式は、Wovn Technologiesが2022年4月にリリースした比較的新しい導入方式です。ユーザーがWebサイトにアクセスする際のHTTPリクエストの通信経路に「WOVN Proxy」を挟むことで、Webサーバー自体にライブラリをインストールすることなく多言語化を実現します。

登場の背景

プロキシ方式が追加された背景には、「ライブラリ方式を使いたいが、サーバー環境が対応していない」という課題を持つ企業の存在があります。スクリプト方式はSEO非対応、ライブラリ方式は環境依存という、それぞれの課題を補う第三の選択肢として開発されました。

メリット・デメリット

プロキシ方式の最大の利点は、サーバー環境に関係なくSEO対応の多言語化が実現できる点です。Webサーバーへのインストール作業が不要なため、ライブラリ方式の導入要件を満たせないサイトでも採用できます。また、プロキシ設定を解除するだけで元の状態に戻せるため、可逆性の高さも利点です。 一方、デメリットとしてはWOVN側のプラットフォームに障害が発生した場合、サイトの表示に影響が出るリスクがあります。プロキシを経由する分、レスポンス速度への影響も考慮が必要です。

プロキシ方式が向いているケース: ライブラリ方式の動作要件を満たさないサーバー環境、SEO対応が必要だがサーバーへの直接インストールが難しい場合、導入後の復旧容易性を重視する場合。

導入後の必須設定──翻訳除外・用語集・検証環境の3ステップ

方式を選んでサイトに組み込んだ後も、品質の担保に向けた「仕上げ作業」が残っています。

翻訳除外設定(翻訳抽出無視設定)

ブランド名・人物名・製品名・企業名など、翻訳してはいけないテキストは「翻訳除外」として設定します。TAM社がWOVN.ioを導入した際も、「人物やブランドの名前、製品名などを翻訳されないように設定(翻訳抽出無視設定を使用)」を最初に行ったと報告しています。これを怠ると、会社名が意味不明な文字列に変換されてしまうケースが起こり得ます。管理画面から対象のテキストやHTMLクラスを指定することで除外設定が可能です。

用語集の登録

頻繁に使う専門用語・業界用語・製品名の翻訳パターンを「用語集」に登録することで、機械翻訳の精度を高められます。用語集に登録された表現は、機械翻訳エンジンが処理する前に優先的に適用されるため、一貫性のある翻訳品質を維持できます。

検証環境での動作確認

本番環境に適用する前に、ステージング環境でライブエディター機能を使ってページの見た目を確認することが重要です。翻訳後に文字数が増えてレイアウトが崩れる箇所、画像内のテキストが翻訳されずに残る箇所(画像差し替えによる対応が必要)、動的コンテンツが翻訳されない箇所などを事前に確認・修正することで、リリース後のトラブルを防ぐことができます。

よくある質問(FAQ)

【質問1】スクリプト方式で導入したが、やはりSEO対応したくなった。乗り換えは大変ですか? 【回答】 スクリプト方式からライブラリ方式またはプロキシ方式への移行は可能ですが、ある程度の工数が発生します。ライブラリ方式に切り替える場合は、使用している開発言語に対応したWOVN’のライブラリをサーバーにインストールし、URLのルーティング設定を追加する必要があります。プロキシ方式であれば、サーバーへの直接インストールは不要ですが、プロキシ経由の通信設定が必要です。最初の方式選択で「将来的にSEO対応が必要になる可能性がある」と考えられる場合は、最初からライブラリ方式またはプロキシ方式を採用することを推奨します。

【質問2】WordPress以外のCMSでもWOVN.ioは使えますか? 【回答】 はい、使えます。WordPressはプラグイン方式という専用の導入経路がありますが、それ以外のCMSでもスクリプト方式を使えば大抵のWebサイトに対応可能です。タグを挿入できるCMSであれば、CMSの種類を問わず導入できます。ただし、SEO対応のライブラリ方式を使いたい場合は、CMSがPHP・Java・Ruby・C#のいずれかで動作していることが条件となります。使用しているCMSのサーバー環境をWOVN担当者に共有し、最適な方式を相談することが最も確実です。

【質問3】WOVN.ioの導入はどれくらいの期間・工数がかかりますか? 【回答】 スクリプト方式であれば、HTMLに1行タグを追加するだけなので、技術的な作業自体は数分で完了します。ただし、翻訳除外設定・用語集登録・表示確認などの仕上げ作業を含めると、一般的なコーポレートサイトで数日〜1週間程度の工数が必要になります。ライブラリ方式はサーバーへのインストールと設定が加わるため、サイトの規模や環境によって2週間〜1か月程度かかるケースもあります。WOVN.ioでは専任の担当者が導入計画からリリースまでサポートしており、同社によれば概ね3か月程度でリリースされるケースが多いとのことです。社内のエンジニアリソースや優先度に合わせて、現実的なスケジュールを設計することが重要です。

まとめ──WOVN導入方法は「目的」と「環境」で選び、「設定」で品質を仕上げる

WOVN.ioの3つの導入方式を整理すると、「スクリプト方式 = 最速・SEO非対応」「ライブラリ方式 = SEO対応・環境依存」「プロキシ方式 = SEO対応・環境を選ばない」という構図になります。WordPressユーザーはプラグイン方式という効率的な選択肢もあります。 どの方式を選んでも、導入後の翻訳除外設定・用語集登録・表示確認は品質を左右する重要なプロセスです。WOVN.ioはこの仕上げ作業を支えるライブエディター機能・管理画面・専任サポートを備えており、社内にエンジニアがいない環境でも導入・運用が進められるよう設計されています。 なお、WOVN.ioは「既存サイトに翻訳を後付けする」ツールです。一方でLeapは「現地向けのページを翻訳ではなく新規に作成する」ローカライズアプローチを提供しており、アプローチの方向性が異なります。海外マーケティングの目的や市場ごとの訴求軸の設計からウェブ展開を考えたい方は、ぜひLeapのサービスページもご覧ください。


参考資料・出典一覧

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