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【1分で解説!】マレーシア進出の会社設立・税制・投資優遇のポイント

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Leap 編集部
Leap 編集部
海外ビジネスのエキスパートチーム
【1分で解説!】マレーシア進出の会社設立・税制・投資優遇のポイント

マレーシアは東南アジアで経済規模が大きく、安定した投資環境・法制度が整備されています。現地法人の設立手続きはオンライン化されており、社名審査(ネームサーチ)後に必要書類を提出すれば数日以内で会社登録が完了します。法人税率は原則24%(資本金2.5百万RM以下の中小企業は最初の一定額に軽減税率15~17%が適用)で、消費税(SST)はサービス税6%などです。加えて、マレーシア投資開発庁(MIDA)によるパイオニア・ステータス(所得税免除)や投資税額控除、再投資控除などの優遇制度が企業の進出を支援しています。この記事では、会社設立の流れとマレーシアの税制・奨励策を、実例を交えながら簡潔に解説します。

マレーシアでの会社設立手続き

設立の流れ

マレーシアでは、外国企業は現地法人(株式有限責任会社:Sendirian Berhad)を設立することが一般的です。具体的には、まず社名のネームサーチをSSM(マレーシア会社登記所)にオンライン申請し、通常半日~1日で承認を得ます。承認後は「スーパー・フォーム」と呼ばれる登記申請書に必要事項を記入し、取締役の宣誓書などの添付書類を用意します。オンラインで所定の登録料(約RM1,000)を支払い申請すると、数日以内にSSMから登録完了通知(Notice of Registration)が発行され、法人設立が完了します。

手続き手順(例)

  • 社名申請(ネームサーチ)-SSMに希望会社名を申請し、承認を取得(通常1日以内)
  • 登記申請-承認後「スーパー・フォーム」に必要書類を添付し、オンライン提出&登録料を支払い
  • 設立完了-SSMからNotice of Registrationを受領し、会社設立が正式に完了

設立後の義務

会社設立後の主な義務として、30日以内にマレーシア居住者の会社秘書を任命する必要があります。また、設立から18ヶ月以内に最初の監査済財務諸表を作成し、株主に送付してSSMに届け出なければなりません。2024年4月以降は、実質的所有者(Beneficial Owner)の情報開示も義務付けられています。さらに、外資規制により業種によって外資比率規制や現地パートナーの要件があるため、進出前に対象業種の許認可を確認することも重要です。

マレーシアの税制とラブアン法人

法人税・SST(Sales and Service Tax)

マレーシアの法人税率は標準で**24%**です。ただし、資本金2.5百万RM以下かつ年商5千万RM以下の中小企業には、最初の150,000RMに対して15%、次の450,000RMに対して17%といった優遇税率が適用されます(それ以降は24%)。配当は現地で課税されず、キャピタルゲイン税も原則課されません。一方、消費税については2018年にGSTが廃止され、SST制が導入されました。現在は物品税(Sales Tax)として一部品目に5~10%、サービス税(Service Tax)として一般サービスに6%の税率が課されています(輸出は非課税となる場合が多い)。

ラブアン法人の特徴

マレーシア連邦直轄領のラブアン島では、オフショア向けの「ラブアン法人」を設立できます。ラブアン法人は、対外取引を行う事業に限り法人税率が3%に軽減されることが大きなメリットです(従来の最低固定税額RM20,000の選択制は廃止されました)。ただし、ラブアン法人にはマレーシア本土での事業取引から得た収入には通常の法人税が適用される点に注意が必要です。また、BEPS対応で実体要件が強化されており、たとえばラブアン・ホールディング会社の場合はフルタイム従業員2名以上および年間支出50,000RM以上などが求められます。ラブアン法人は国際取引やホールディング、ファイナンス業務の拠点として活用されることが多く、合併・買収や契約の保有会社として設立されるケースがあります。

MIDAによる投資奨励策

パイオニアステータスと税額控除

マレーシア政府は外国直接投資を促進するため、MIDAが各種税制優遇措置を提供しています。代表的な制度がパイオニア・ステータスで、政府が指定した優遇対象業種に該当する新規投資に対し、認定企業は最大5年間にわたり所得の70%を法人税免除(残り30%に通常税率適用)となります(延長申請でさらに5年延長も可能)。また、**投資税額控除(ITA)制度では、対象設備投資額の60%を5年間にわたって税額控除でき、控除後の所得の70%に対して通常税率が適用されます。加えて、再投資を計画する場合は既存の優遇措置を放棄して再投資控除(Reinvestment Allowance)**を選択することもでき、適格支出の60%を15年間にわたって控除できます。これらを組み合わせることで、製造業やハイテク投資の税負担を大幅に軽減できます。

グローバル拠点優遇制度

多国籍企業のマレーシア拠点化を後押しするため、プリンシパル・ハブや**グローバル・トレーディング・センター(GTC)**向けの優遇策も設けられています。プリンシパル・ハブとして認定された新規企業は5年間、所得に対して0%または低率(例:5%)の法人税が適用され、既存企業も10%の優遇税率が5年間適用されます。GTC認定を受けた企業は所得に対し5年間、10%の固定税率が適用されます。いずれも、一定以上の雇用創出や事業規模など所定の条件を満たす必要がありますが、インド洋~アジア地域向けの貿易やサービス拠点として大きな節税効果が得られます。

事例紹介

マレーシア進出の成功例として、自動車業界の日系企業が挙げられます。トヨタ自動車は2019年にクアラルンプール近郊に年産5万台規模の新工場を稼働させ、合弁先のUMWトヨタモーターを通じて競争力を強化しました。同様にホンダは現地企業DRB-Orientalとの合弁で2000年に事業を開始し、マラッカ工場で高い生産実績を挙げています。電機分野ではパナソニックが「Panasonic Manufacturing Malaysia」を拠点に乾電池やエアコンを現地生産し、日本ブランドの信頼を確立しています。ソニーもクアラルンプールにテレビ工場を設置し、研究開発機能を現地に置いて生産体制を一貫化しています。これらの企業はいずれも現地法人設立時にMIDAの優遇策を活用し、現地パートナーとの連携や現地人材育成を通じて市場での地位を築いています。

FAQコーナー

Q1: マレーシアの法人税率はいくらですか? A: 標準法人税率は24%です。ただし資本金2.5百万RM以下の中小企業は最初の150,000RMまでが15%(次の450,000RMまでが17%)に軽減されます。パイオニア・ステータス取得企業は認定期間中、所得の70%が免税となり、実質的な税率が大幅に下がります。消費税(SST)のサービス税率は6%、物品税は5~10%です。

Q2: MIDAの投資優遇措置を受けるにはどうすればいいですか? A: まず投資計画をMIDAに申請し、承認を得る必要があります。製造業やハイテク産業などMIDA指定の優遇対象分野に該当し、事業計画が政府の目標に合致すれば、パイオニア・ステータスや投資控除の適用が検討されます。申請にはビジネスプランの提出や現地での実施計画が必要です。条件を満たすと、法人税免除や設備投資控除といった優遇が受けられます。

Q3: ラブアン法人のメリットは何ですか? A: ラブアン法人は海外取引のみを行う場合に適用され、所得に対する法人税率がわずか3%と非常に低い点が最大のメリットです。また、配当や利子の送金時に源泉税がかからない場合が多いなど、税務面で優遇があります。一方で、マレーシア国内取引には通常税率が適用され、現地で少なくとも2名の正社員を雇用し年間一定額を現地支出するなど、実体要件が課されています。進出形態や取引形態によって本当にメリットがあるか検討が必要です。

まとめ

マレーシアには魅力的な市場と投資優遇策がそろっており、正しい手順で現地法人を設立し税制を理解すれば進出の成功確率は高まります。Leapでは、多言語HP作成や現地代理店とのマッチング、越境EC開設運用など、海外営業・マーケティングを総合的にサポートするサービスを提供しています。マレーシア進出で不安な点があれば、Leapのプラットフォームをご活用ください。事前の計画と適切なサポートで、マレーシアビジネスを成功に導きましょう。


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